サブスク派の夏(『楽曲オタク Advent Calendar 2019』10日目)
なまおじさん(@namaozi)主催『楽曲オタク Advent Calendar 2019』10日目の参加記事です。
こんにちは、うえどです。吐く息が白く染まり、スマホをいじる親指が思うように動かない今日この頃。すっかり冬らしくなってしまいましたね。みなさんいかがお過ごしでしょうか。
やっぱりこれだけ寒いと気分も沈みやすくなりますよね。布団から出るのも大学に向かうのも遊びに行くのも何もかもが億劫に感じる…そんな人も多いのではないでしょうか。まあ僕は年中無気力なんですが。
しかし、そんな2019年末、下がり続ける気温と反比例するようにどんどん盛り上がっている人々がいます。サブスクリプションサービス、通称「サブスク」を愛用している音楽オタクたちです。最近流行りの「サブスク解禁」のアレですね。これを読んでる方でもう使っているという方も結構いるんじゃないでしょうか。
使っていない方のために簡単に説明すると、サブスクとはApple MusicやSpotifyのような月額制音楽聴き放題サービスのことで、ストリーミングとも呼ばれたりします。
このサブスク、少し前までサブスクで聴けないようにされてる曲がかなり多い状況が続いていたんですが、最近は星野源や嵐などがサブスク解禁することとかもあり、どんどん聴ける曲が増えてるんですよね。例えるなら、数年続いた冬が2019年後半になってやっと終わった感じでしょうか。嬉しいですね。
とはいえ、米津玄師やRADWIMPS等サブスク解禁してない大物アーティストもまだまだたくさんいます。今がサブスクにとっての春だとするならば、彼らがサブスク解禁し、音楽業界がサブスクを中心に回るようになった頃が夏、もとい「サブスク派の夏」になるんでしょうか。これについては色々意見があるかもしれませんが、個人的には早くそうなって欲しいですね。サブスク派の夏、色々新しいことが起こりそうでめちゃくちゃ楽しそうじゃないですか?夏って全体的に楽しいですしね。夏が、待ち遠しい…。
ということで、サブスクで聴けるエモい夏曲を集めたApple Musicのプレイリストを作りました。この記事ではその中から今年聴いた5曲だけ選んで紹介してますが、プレイリスト自体は15曲入りです。適当に流し聴きしてるだけで夏に浸れるようなプレイリストを目指したつもりなので、良かったら通勤通学の間にでも聴いてみてください。感情馬鹿野郎になりながら選曲しました。一緒に夏を、そしてサブスク派の夏を幻視しましょう。
作詞: カナボシ☆ツクモ
作曲: Hiramy
編曲: 福田淳平
11月20日にほぼ全楽曲がサブスク解禁されたアイドルコンテンツ『Tokyo 7th シスターズ(以下ナナシス)』の楽曲です。
爽やかで切なくてアップテンポな曲調の、まさに夏!って感じの曲ですね。Orangestarさん辺りのボカロ夏曲で育ったのでこういうのに弱い。それと理論的なことが分からないので上手く言い表せないんですけど、Aメロからサビに入るところの唐突感がすごく好きです。聴くたびにここすき〜!って心の中で叫んでます。
これだけでも割と好きな夏曲の部類に入るんですが、この曲の最も恐ろしいところは歌詞なんですよね。一番サビの歌詞を引用します。
解き放ってよ
空き缶の表面伝う夏雫が映してたヘブン
だって ロンリー・フォーティン・ソーダ
忘れないよ 夕立が痛かった
""夏""すぎる…。切なさと神秘性が入り混じった言葉選びが本当に良いですし、「待って ロンリー・フォーティーン・ソーダ」のような頭に残るキャッチーさも兼ね備えているのも凄い。あまりにも完成されすぎている。
あんまり色々言い過ぎるのも野暮だと思うのでこの辺でやめます。14歳の夏を後悔する主人公の感情が鮮明に追体験できる歌詞が最高なので、ぜひぜひ聴いてみてください。
ちなみに作詞のカナボシ☆ツクモさんはコンテンツの総監督である茂木伸太郎さんの別名義で、彼はkzさん担当の数曲を除くほぼ全てのナナシス楽曲の作詞をしてるんですよね。これだけ凄まじい歌詞を書く人の作るコンテンツが良くない訳がない。
ナナシス、楽曲もサブスク解禁されてメインストーリーも全て無料開放されているので、よかったら触れてみてください。
作詞: きみコ
作曲: 佐々木淳
編曲: nano.RIPE
先月くらい?に全曲サブスク解禁されたバンド、nano.RIPEの5枚目のシングルの表題曲です。
小学生の夏休みを思い起こさせるような歌詞の切なめロックです。さっきの「14歳のサマーソーダ」も切ない系でしたが、あちらは後悔の色が濃かったのに対してこちらは懐古の色が濃い。後悔と懐古、どちらも夏の風物詩ですね。
注ぐ蝉時雨
追いかけてた影法師
溶けたアイスキャンディ
巻き戻る記憶
サビの歌詞です。「蝉時雨」「影法師」「アイスキャンディ」と、何かしらの夏の思い出に引っかかるワードが散りばめられています。全部のフレーズが体言止めで終わっているのもインパクトが強くて良い。
実はサブスク解禁をきっかけにのんのんびよりOP以外のnano.RIPE曲を聴いたのですが、本当に少年的なエモを描くのが上手いですね。こういう夏曲でnano.RIPEの右に出るアーティストっていないんじゃないですか?nano.RIPEとのんのんびよりを引き合わせてくれたランティスさんには感謝しかありません。
あとn-bunaさんってnano.RIPEにかなり影響されてそうだな〜って何となく思ったんですが、実際のところどうなんでしょうか。それかその更にルーツになっているアーティストとかがいたりするんですかね。バンドに詳しい人、よければ教えてください。
3. 虹色の夏 / 神田沙也加
ピアノ、アコギ、ストリングス(ですよね?)中心のアレンジに神田沙也加の透き通った歌声が乗った、美しくて壮大なバラード曲です。「ライザのアトリエ 〜常闇の女王と秘密の隠れ家〜 オリジナルサウンドトラック」収録。
初めて聴いたときはライザのアトリエに関して「太もものヤバい女がいる」以外の情報を持っておらず、曲調に引っ張られて「田舎の情緒、良いなあ…」という感想を持ったのですが、このブログによるとその真逆の「閉塞的な田舎から逃げ出したい」みたいな話らしいんですよね。
言われてみれば確かにこの曲もそんなことを歌っています。むしろそっちのメッセージ性を当てはめたほうがすごくしっくりくる。こちら側から田舎の夏を幻視するのではなく、田舎の夏側から未来の何かを夢想している。田舎側から見てるからこそ田舎的な開放感のある壮大さがあるんですね。なるほど…。
ちなみに神田沙也加さんの1枚目のボカロカバーアルバムに収録されている「路地裏ユニバース」が割とこれに近い情緒を持っているので、この曲が好きな人におすすめです。
4. 夢でみたような / まなつ
作詞: まなつ
作曲: まなつ
スリーピースロックバンド・まなつの2ndミニアルバム「夢でみたような」のリード曲です。
夢でみたような
そうだ君のこの先の未来に
風が吹けばいいね
明日を変えようぜ
もう何回だって僕ら出会えるんだ
こんな歌でいつまでも笑っていよう
1番サビの歌詞です。辛かったり悩んでいる人の背中を押してくれるような楽曲になっています。なんだかんだこういうストレートに殴ってくる応援歌に弱い。
特に「夢でみたような」というフレーズが強すぎるんですよね。忘れてしまった昔の夢や理想を「夢でみたような」の1フレーズが記憶の底から引っ張り出してくれる。本当に強い。
この記事で選んだ曲の中では一番現実寄りの曲だと思うんですが、僕たち現実側の人間が夏を幻視するときってこういう「(実際のものかどうかに関わらず)夏のエモい出来事に思いを馳せて活力を貰う」みたいな構図になってること結構多いと思うんですよ。みなさんはどうですか?僕はよくやりますが…。
5. Summer Delay / ClariS
作詞: 長沢知亜紀(CWF)、永野小織(CWF)
作曲: 長沢知亜紀(CWF)、永野小織(CWF)
編曲: 長沢知亜紀(CWF)、永野小織(CWF)
ClariSのミニアルバム「SUMMER TRACKS -夏のうた-」の収録曲です。疾走感があります。ピアノがめちゃくちゃ良い。
そして紛うことなき2019ベスト夏曲です。正直この曲を紹介したくてこの記事を書いたと言っても過言ではないんですよね。
とはいえこの曲の最大の魅力はここでは解説しません。是非下記のブログを読み、バケモン構成のミニアルバム「SUMMER TRACKS -夏のうた-」を崇めながらSummer Delayに浸ってみてください。
あなたも一緒に呪われてみませんか?僕は呪われました。一生解ける気がしません。
終わりだよ〜。
12/10に出すはずなのにこれを書いてる時点で12/11になってしまったので、余計なことは書かずに終わりたいと思います。読みにくい箇所も多々あったと思いますが、ここまで読んでくれた方本当にありがとうございました。